生産者詳細

名門の薫陶を受けた若き醸造家が造る、注目のエレガントなバローロ エレーナ・ジュゼッペの畑はバローロ5大産地の1つ、ラ・モッラ村にあります。所有する15ヘクタールの地所の内8ヘクタールがヘーゼルナッツの畑、2ヘクタールが山林、5ヘクタールが古くからのぶどう畑になっています。1966年、ラ・モッラで長年小作人として働いていたフランシス・エレーナと弟ジョヴァンニが、ローマのパリウッツィ家からこのぶどう畑を含む地所と家屋を購入した時、エレーナ・ジュゼッペの歴史は始まりました。フランシスとジョヴァンニは、この地所で放牧やぶどうをはじめとする様々な農作物を作りました。一方彼らが地所と一緒に購入した家屋には、19世紀に使われていたワインの醸造設備が残されていました。育てたぶどうを周囲のバローロの生産者に売りながら、フランシスはいつか自分達の手でこのぶどうからワインを造りたいという夢を抱く様になりました。フランシスの抱いた夢は息子のジュゼッペ、さらにその息子のマッテオへと受け継がれて行きます。マッテオは祖父と父、そして自らの夢を実現すべく、大学を卒業すると同じラ・モッラにあるモダン・バローロの名門、エリオ・アルターレの門をたたきます。エリオの下でワイン造りを学んだマッテオは、さらにバルベーラの名手、ロッケッタ・ターナロのブライダ(ジャコモ・ボローニャ)でも修業を重ねました。一方エレーナ家では、マッテオの修業と並行して19世紀の醸造設備を一新、夢の実現に向けて着々と準備を進めました。そして2009年、マッテオが家に戻ると彼らは自分達のぶどうで、初めて自らの手でワインを仕込みました。彼らが40年以上抱き続けてきた夢が、その時ついに現実のものとなったのです。フランシスはすでに世を去り、現在畑はジュゼッペが管理しています。ぶどうの生育期には収量を抑えてぶどうの品質を上げる為、3~4回の徹底した房の間引きが行なわれます。自然環境への影響を最低限に抑えるべく、合成農薬や化学肥料、除草剤は一切使用しません。また機械による作業も極力行ないません。そして2010年からは害虫対策としてセクシャル・コンフュージョン・カブセルを導入し効果を上げています。一方セラーでは、マッテオは繊細なワイン造りのためにぶどうに最大限の注意を払います。酵母は自然酵母のみを使用、SO2の添加量を抑えるため、果汁が酸化し易くなるルモンタージュも制限します。発酵はタンクで行い、熟成には伝統的なオークの大樽の他、エリオ・アルターレ仕込みのフレンチオークのバリックも用います。瓶詰めの前には一切フィルターでの濾過は行なわず、卵白による清澄のみ行ないます。こうして造られたバローロはしなやかでエレガントな味わいを持ち、比較的若いうちから楽しむことができます。またバルベーラから造るワインは華やかな果実味にあふれる印象的な味わいです。普段はシャイで朴訥とした印象のマッテオは、しかし自分のワイナリーとワインの事となると非常に饒舌になります。 訪れる人々に畑を案内し、またワインをテイスティングさせながら、彼は自らの想いを熱く語ります。2020年に彼らのワインは初めて「ワイン・アドヴォケイト」で取り上げられ、いきなりバローロ・アスケリ2016が94ポイント、バローロ2017が92ポイント、バルベーラ・ダルバ・アルフェリ2017が91ポイントとハイスコアを叩き出しました。彼らの実力がついに公に認められたのです。バローロの新たなスターになる可能性と実力を秘めたエレーナ・ジュゼッペ。要注目の生産者です。