生産者詳細

ネルソンのワイン造りの歴史はここから始まった オーストリア出身のヘルマン・サイフリードが妻のアグネスとネルソンにワイナリーを開いた1973年当時、タバコやホップの畑が点在するこの一帯に、他にぶどう畑は1つもありませんでした。彼らの息子、クリスは言います。「父がネルソンをワイン造りに適した場所だと考えて銀行に融資を頼みに行った時、最初はだれ一人相手にしてくれなかったそうです。誰もがネルソンはぶどうを育てるには寒すぎると思っていたのです。」しかしヘルマンは決して諦めることなく努力を続け、彼らはワインビジネスで大成功を収めました。彼らの成功により後を追うようにネルソンに続々とワイナリーが誕生し、今日、ネルソンはニュージーランドの主要なワイン産地の一つとなり、サイフリードの他に22ものワイナリーが居を構えています。ネルソンのワイン・シーンは正に彼らによって造られたと言っても過言ではありません。、 現在サイフリードは185ヘクタールのぶどう畑を所有し、年間10万ケースのワインを生産しています。特筆すべきは、ぶどうをすべて自社畑のもので賄っている事、そして、これだけの規模を持ちながら家族5人でワイナリーを経営している事です。現在へルマンはぶどう栽培を担当し、妻のアグネスは経理関係を担当します。ワインの醸造は長男のクリスがチーフワインメーカーを務め、長女ハイジは歯科医の仕事の傍ら醸造アシスタントを、そして次女のアンナはマーケティングを担当しています。クリスは大学でワイン醸造について学び、卒業後はオーストラリアのルーウィン・エステートを始めオレゴンやヨーロッパ各地のワイナリーでワイン造りの経験を重ねました。彼は言います。「家族経営の良い所は、クビになる心配が無い事(笑)。冗談はともかく、お互いが自由にものを言えて、伸び伸びと仕事が出来る点ですね。僕は父を大いに尊敬しているし、彼と仕事が出来る事をとても誇りに思っています。」 、 彼らは、「サスティナブル・ワイングローワーズ・ニュージーランド」のメンバーです。このグループは環境にやさしい農業を目指し、様々な取り組みを行なっています。農薬や化学肥料の使用は必要最小限にとどめ、省エネルギーと二酸化炭素の排出量抑制のために作業用の機械もなるべく使用しない(牛や羊に除草を行なわせる)など。これらにはガイドラインがあり、定期的な監査を受けなければならないなどの厳しい基準があります。彼らもすべてのぶどう畑においてこの取り組みを行なっています。彼らはバラエティに富んだレンジを揃えていますが、オーストリア出身のヘルマンらしく、特にドイツ系のリースリングやゲヴリュツトラミナーから造るワインの評価が高いのが特徴です。ヘルマンはドイツや南アフリカのKWVでワイン造りに携わった経験を持ちます。現在すべてのぶどう栽培を手掛ける彼は、リースリングなどドイツ系の品種は粘土質土壌の畑に、ソーヴィニヨンブランなどフランス系の品種は砂利の多い土壌に植える事で、より品種の個性が引き出せると語ります。また赤ワインではピノ・ノワールに積極的に取り組み、ネルソンの涼しく穏やかな気候に育まれた良質のピノ・ノワールを造っています。現在では彼らのラインナップにおいて第2位の生産量を誇るまでになりました。