生産者詳細

シチリア島南端、世界遺産にも登録されている後期バロック様式の美しい街並みが有名なラグーザから少し北にある丘の上の小さな町、
キアラモンテ・グルフィにグリエリは拠を構えます。
グリエリ家は、ここで50年にわたって食用ぶどうやオリーブの栽培を行なってきました。
長年この仕事を続けてきた父ヴィンチェンツォと母グラツィエッラの農業への情熱を見ながら育った彼らの息子ジョヴァンニと
娘アンジェラは、生まれ育った土地のアイデンティティを表すワインを造るという夢を実現する為、両親の意志を引き継いで、
従来の農業に加えて新たに販売用のワインとオイルの生産を行うことを決意しました。
グリエリの新たな歴史は2010年、最初のワインのボトリングから始まりました。
ワイナリーは、イブレイ山地の麓に広がる肥沃なヴァル・ディ・ノートの田園地帯、シチリア唯一のDOCGであるチェラスオーロ・
ディ・ヴィットリアの生産地域にあります。長年家族で使うワインとオイルを造り続けてきた技術を生かし、さらに最新の醸造設備を
導入して、彼らはキアラモンテ・グルフィと隣接するマッザローネにある3.2ヘクタールの畑のぶどうから近代的な手法での
ワイン造りを始め、さらにこの地区のワイン用ぶどう栽培に最も適した畑を探して、新たにキアラモンテ・グルフィに3ヘクタールの
畑を借りました。
グリエリは原産地を尊重し、そこから得られる最高の果実を用いることでその価値を高めたワインを生産しています。
それらのワインはラグーザ地方の農業と地域の伝統を反映しており、それぞれが3000本程度という少量生産です。
現在では畑をすべて有機栽培に転換し、ネロ・ダーヴォラ、フラッパート、グリッロなどの土着品種と、シチリアの土壌と気候に
よく適応した国際品種であるシラーを栽培しています。
子供たちがワイナリーを運営する傍らで、父ヴィンチェンツォは疲れを知らない情熱的な農夫としてぶどう畑での仕事を続けています。
また母親のグラツィエッラはワイナリーの管理部門に携わりながら家事もこなしています。
彼らは特にシチリアの土着品種であるネロ・ダーヴォラとフラッパートにフォーカスし、2つのぶどうからDOCGのチェラスオーロ・
ディ・ヴィットリアを始め、白、ロゼ、スパークリングなど様々なワインを造っています。
さらに両親に敬意を表して、チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア・クラシコを父に捧げて「ドン・ヴィーチェ」、同じぶどうから造る
白やロゼ、スパークリングワインを母に捧げて「ドンナ・グラツィア」と名付けました。
彼らのワインは、イブリー山地の豊かな自然の中で培われたこの地域の伝統の変わらぬ美しさを伝えています。
標高270~300mの丘陵地帯に広がるぶどう畑では、ぶどうの樹にとって自然の「楽園」である白亜の粘土質主体の土壌の斜面に
沿ってぶどう樹の列が作られ、白い石垣が景観を豊かにしています。土壌に含まれる石灰質は、ぶどうに豊かさと複雑さを与えます。
乾燥した風が吹き付ける地中海性気候はまた、昼夜の気温差が大きいことが特徴で、ワインに力強さ、アロマ、独特の風味を与える
ことに貢献しています。
グリエリのワインはいずれも味わいとエレガントさが際立ち、その包容力、個性、調和によって私たちの味覚を楽しませてくれます。