生産者詳細

アブルッツォの自然と大地への深い敬意と愛情から生まれるビオディナミワイン…

アブルッツォ州は西にアペニン山脈の最高峰であるコルノ・グランデやそれに次ぐマイエッラ山を擁し、東はアドリア海に面しています。そのため海岸部から少し内陸部に入るとすぐに丘陵地帯となり、その一帯では恵まれた気候風土のおかげで古くからワイン用ぶどうの栽培が盛んに行われていました。

2011年、マルケ州のチウ・チウやコスタドーロのオーナー、マッシミリアーノ・バルトロメイとパートナーのマリア・ピア・レオーネがこのアブルツォ南部のキエーティ県にある10haの古い畑を借り受けた時、ピエトラモーレの歴史はスタートしました。既にチウ・チウやコスタドーロでビオロジックでの有機栽培の経験を積んでいた彼らは、ここでは当初からさらに踏み込んだビオディナミでのぶどう栽培に取り組みました。ぶどう畑も最初に借り受けた10haを含め、キエーティ県を中心に一部北部のテラモ県に合計70haまで買い広げてビオディナミへの転換を進め、2014年にはDemeterの認証も取得しました。

粘土質主体のテラモの畑にはモンテプルチアーノが、石灰質やミネラルを豊富に含むキエーティの畑にはトレッビアーノ、ペコリーノ、パッセリーナなどの白ぶどうが植えられています。ぶどうの平均樹齢は40年、植栽密度は1haあたり2000~3000本と少なく、収量も4トン/haに抑えられています。畝間には窒素分を豊富に含むマメ科の植物を植え、虫害対策に役立てる他緑肥としても利用しています。ビオディナミには欠かせない牛糞、シリカ、ハーブなどの調合物の散布を始め畑での一連の作業はビオディナミのカレンダーに則って行われ、収穫も全て手作業で行います。発酵はすべてスチールタンクで、天然酵母を用いてきめ細かな温度管理の下で行うことで、オーガニックワインにありがちないわゆる「ビオ臭さ」を感じさせない、きれいな味わいのワインを造り出しています。

マッシミリアーノとマリア・ピアはアブルッツォのぶどう産地としての高いポテンシャルに着目し、ビオディナミによってそれを最大限に引き出す事に挑戦し、その成果は造られるワインに如実に現れてきており、ワインの質は年々向上を続けています。

ピエトラモーレではビオディナミにおける宇宙、地球、生命の関係の中で生まれる魔法のような力に対する敬意を、それぞれのワインのラベルデザインで表しています。畑で見られる様々な鉱石の美しい色柄に、ビオディナミにゆかりの深い星座 – トレッビアーノ・ダブルッツォはこぐま座、ペコリーノはケフェウス座、モンテプルチアーノ・ダブルッツォはカシオペア座 – を配し、蛍光塗料によってそれぞれの星座が暗闇で浮かび上がる様工夫されています。そして、マリア・ピアが名付けたという「ピエトラモーレ(愛しい石)」という名前には、このワイナリーがあるアブルッツォの地への彼女の深い愛情が込められています。